多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織
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第1章 画一的集団の「死角」
画一的な組織は盲目
能力は高くても、ものの見方が同じ集団は別の視点での考えに気づけない
CIAは中上流階級の白人男性で固まりすぎていた
イスラム文化への理解がなく、脅威レベルを見誤った
兆しとなる情報を入手しても、その情報をどう扱って良いのかが分からなければ意味がない
文化・言語へ対応可能な人員も少ない
ものごとを多角的に見られるチームの重要性
同じ考え方で統一された集団は気持ちよく動ける
正解にたどり着けるとは限らない
考え方の異なる集団は衝突も多いが正解へたどり着きやすい
第2章 クローン対反逆者
人間のクローンではなく、同じような考え方を持った人のことをクローンと定義
多様性の定義は人によって異なる
人は同じような考え方の仲間に囲まれていると安心する
自分たちの考えが賢明な政策だと錯覚
暴動が起きるほどの悪税になった
1人の視野には限界がある
同一タイプの人を集めても問題空間の同じような場所しかカバーできない
目隠しをされた状態
多様性があっても各メンバーに知識がなければ正解へたどり着けない
問題解決には賢い人と多様性の両方が必要
少数派の意見
視野を広げて発想を刺激する
的外れな内容もある
人口統計学的多様性と認知的多様性
特徴
人種・差別・階級など
ものの見方や考え方
人口統計学的多様性が高くなれば認知的多様性も高くなる
影響を及ぼさないパターンもあるので注意
マニュアルに従った作業に人口統計学的多様性は意味をなさない
人種や階級が異なっても、同一の理論を学んでいる場合は認知的にはクローンと言える
逆に人口統計学多様性は同一でも異なる考え方を持っていれば認知的多様性は高まる
多様性豊かな集団でも、そのうち主流派に染まる
同化して画一的な考え方の手段になる
第3章 不均衡なコミュニケーション
死者8人
チームのコミュニケーション方法に要因があったという視点での検討
支配型ヒエラルキー
「ヒエラルキーと情報共有」「決断力と多様性」のバランス
ヒエラルキーと多様性は本質的に相反するものとされてきた
両立させるのは難しい
支配型ヒエラルキーと尊敬型ヒエラルキー
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尊敬型ヒエラルキーは心理的安全性を生み、多様性のある環境を生み出しやすい
第4章 イノベーション
特定の方向に向かって1歩ずつ前進していくタイプ
自然淘汰(自然選択)
それまで関連のなかった異分野のアイデアを融合する方法
有性生殖
アイデアのセックス
融合のイノベーションは異種交配
反逆者の融合
融合のチャンスを掴む人と、その可能性に気づきさえしない人
手が届かないのではなく、その可能性に背を向けてしまう
人は熟練して深い知識があるからこそ、現状にとらわれやすい
多様な経験をすると広い視野でアイデアを組み合わせられる
問題の本質を見抜くには、当事者にとって当たり前になっている物事を第三者の視点で見つめ直さなければならない
前提逆転発想法
成功するか失敗するかではなく、新たな発想を得るための方法
共有
個人による発見はタイミングが重なるケースが見られる
イノベーションが発生する土台ができている
企業の秘密主義
メリットもあるが縦のつながりしかできず、横のつながりが作れない
横に情報が広まることで常に波及効果がもたらされる
異なる視野を持つ人々の融合の拠点があれば多様な意見が交わされる
異なる分野の人間が出会いやすい環境を作ることがイノベーションに繋がる
第5章 エコーチェンバー現象
徹底した白人至上主義の中で育った人物が、他者の意見を受け入れて考えを改める
大きな集団の中にいると小規模なネットワークを構築する
小集団の中ではえり好みができない
大集団では余裕を持って自分に近しい人を探せる
多様性の中に画一的な集団が生まれる
第6章 平均値の落とし穴
人間について考える際には、無意識のうちに陥る落とし穴
データの多くが、ごく少人数のサンプルを元にした結果
情報が錯綜
真逆のことをしたら効果が出る場合もある
米空軍で事故が多発
コックピットの設計に着眼
ピタリと当てはまるパイロットは存在しない
平均は代表ではない
多様性を覆い隠す
多様な情報を統合する平均は効果的
多様性を統合するのではなく除外する標準化は逆効果
食べる側の人間を考慮していない
効果的とされているものでも上がる場合はある
OS標準のブラウザを使う人間よりも、自分で選択してインストールするブラウザを使う人間の方がパフォーマンスは良い
勤続期間、欠勤日数
生産性、業績、顧客満足度
マニュアル通りでよしとするのか試行錯誤するのか
人は自分独自の環境を作る権限を与えられると、他人が用意するよりほぼ必ず良い環境を作る
第7章 大局を見る
優れた知恵やアイデアが大きな脳をもたらす
知能はネアンデルタール人の方が高かったかもしれないが、人類の祖先は集合知が高かった 天才族とネットワーク族のような関係
集団の情報量が急速に増大して、記憶や整理のために選択圧が働き、脳の容量が拡大していった
人類が優れているポイントは多様性
作業記憶を伴うタスクならチンパンジーのほうが優れていることがある
人類はアイデアの蓄積が可能
知恵を得て積み重ねていく能力
日常的に多様性を取り込むため
自分では気づかないうちに持っている偏見や固定観念
公正な社会に向けての第一歩
陰の理事会
重要な戦略や決断について若い社員が上層部に意見を言える場
年功序列を崩す
与える姿勢
自分の考えや知恵を相手と共有しようという心構え
与える姿勢があってこそ受け取る機会が増える
ギバー(与える人)
テイカー(受け取ることを優先する人)
融合のイノベーションを起こさずに、急速に変化する世界について行くことはできない